マネープランニング

<元大手証券会社勤務の中の人>自分のために考えたい、マネープランニングの下準備

自分が生きていく上で、どのくらい資金が必要なのか。それを明確にする手段の一つがライフプランです。

私は元証券会社勤務、且つFPということもあり、自分のライフプランは自分で立てています。住居費・生活費・保険料・通信費・個人費・教育費・年金等、いかに攻略していくかを考えるとワクワクします

いきなり生涯のプランを立てろと言われてもなかなか難しいことなので、プランニングの下準備を6段階にまとめました。

1. プランニングの第一歩は、家計支出の把握から

一人暮らしでも、DINKsでも、ファミリーでも、プランニングの第一歩は同じです。

それは、【現在の支出の全てを把握すること】です。

全て、です。全て

1円単位で把握するつもりで、家計のブラックボックスを徹底的に潰します

以下、私の考える基本的な支出を25項目にまとめました。

  1. 住宅費|住宅ローン・家賃
  2. 住宅費|月換算の固定資産税・管理費
  3. 住宅費|修繕費・修繕用の積立等
  4. 水道光熱費|電気
  5. 水道光熱費|ガス
  6. 水道光熱費|水道
  7. 車|自動車ローン・車購入用の積立
  8. 車|駐車場代
  9. 車|自動車保険、JAF
  10. 車|自動車税
  11. 車|ガソリン代
  12. 車|車検、タイヤ費、その他
  13. 食費|食材費、外食費
  14. 日用品|生活消耗品
  15. 日用家電|冷蔵庫、エアコン、洗濯機等の必須家電
  16. 交際費|冠婚葬祭、お年玉、お歳暮等
  17. 通信費|スマホ、インターネット
  18. 保険料|医療保険、死亡保険
  19. 保険料|貯蓄型保険
  20. 教育費|授業料、校納金、給食費、学校購入品代、修学旅行積立等
  21. 教育費|学資保険、教育費用積立等
  22. 奨学金返済
  23. その他借り入れ
  24. 個人費・趣味娯楽費|各個人の小遣い等
  25. レジャー費|旅行、お出掛け、テーマパーク等

この基本25項目は私のオリジナルですが、こうした支出を全て把握していますか?

年払いにしているものは、月換算だといくらになるか把握していますか?

分からない項目は今すぐ確認しましょう。

2. 面倒でも、記録する

次に、3ヶ月から6ヶ月、できれば12ヶ月、支出を記録しましょう。

まずは1ヶ月分記録できればOKです。

支出の全てを1箇所で記録できるのであれば、アプリでもエクセルでもノートでも、自分が使いやすいと思える手段で大丈夫です。

面倒でも継続することで、意識していなかった不定期な出費やイベント支出が可視化されていきます

ここまでやってようやく、頭の中の支出イメージと現実での支出額のズレを修正することができます。

3. 収支を算出する

3つめにすることは、収支の計算です。

月間収支 = 月収 ー 毎月の支出

年間収支 = 総収入 ー 総支出

支出をしっかり把握していれば、現実に即した貯金額が算出できます

継続して支出を記録できていなくても、まずは1ヶ月分を算出してみましょう。

世帯月収40万円で、支出も40万円なら、年間貯金額はボーナスからのみとなります。

もし、ボーナスも住宅ローンのボーナス払いや固定資産税・自動車税・年払いの保険料などで支出してしまっているなら、貯金できる額はその残金のみ、ということです。

4. ざっくりシミュレーション

収支が判明したら、次にすることは【ざっくりシミュレーション】です。

もしいまの貯金額が60歳まで続いたらどうなるかを単純計算してみます

例:35歳夫婦/子ども1歳4歳/世帯月収40万円/ボーナス年額100万円/学資保険なし/住宅ローン65歳完済

ケース①月間支出40万円+ボーナスからの支出40万円の場合

60歳までに増やせる貯金額は1500万円(60万円×25年)

もし教育費を別で用意していないなら、この1500万円は2人分の大学費用でほぼ消える(理系大学で1人700万円と仮定)

そして、もしボーナスが減れば教育費すら危うい

このケースだと、60歳以降も長く働く必要があります。

ケース②月間支出35万円+ボーナスからの支出20万円の場合

60歳までの貯金額は3500万円(140万円×25年)

2人分の大学費用を支出しても2100万円は余る。住宅ローン完済の65歳まで収支トントンのペースで仕事すればOK。

ケース③月間支出32万円+ボーナスからの支出30万円、児童手当全額を貯金している場合

60歳までの貯金額は4550万円(166万円×25年+200万円×2)

2人分の大学費用1400万円を支出しても残額3150万円。退職金が無くても安心この時点での住宅ローン完済も可能

年金受給開始の65歳まで、生活費として年200万円程度取り崩したとしても残2000万円。支出をコンパクトにできるならリタイヤも可能。

ものすごくざっくりした計算ですが、こんな感じで見通しを出します。

※実際のライフプランニングでは、様々な要素を勘案してもっと細かく計算します。

5. 着地点を決める

支出を把握して、記録する。年間収支を出し、60歳時点での見通しを出す。

これらを実践したら、5つめにすることは【着地点と通過点を決めること】です。

  • 校区や利便性のいい場所に家が欲しい・・・4000万円〜
  • 子どもを中高一貫私立に進学させたい・・・800万円〜
  • 私立大学且つ一人暮らし・・・1000万円〜
  • 本人が望むなら留学や大学院も・・・200万円〜
  • 家族でアウトドアにも行ける車が欲しい・・・300万円〜
  • 60歳で完全リタイヤしたい・・・1000万円〜
  • こづかいは月に○万円は欲しい・・・年間○万円〜

将来への展望も希望も、人さまざまです。

子どもを中学から私立一貫校に入れるなら年間120万円︎︎︎+αで800万円、大学も理系私立なら700万円、一人暮らし費用は月10万円計算で4年間で約500万円。

最もお金をかけるこのコースだと、一人当たりの教育費は2000万円です

仮に、この2000万円を18歳の高校卒業時までに準備するなら、

2000万円 ÷ 18年 ÷ 12ヶ月 = 92500円

保育園や小学校・学外費も考えると、毎月10万円程度の教育費が必要という計算になります。

こうして確認していくと、「Aだと難しいけどBなら大丈夫そう」「収入を○○万円アップさせたら実現できる」「○年後には○万円必要だから、△年後までには△万円貯めておきたい」等、現実的な結論を導き出すことができます

いい意味で、憧れや妄想を捨てることもできます

なんのために、どのくらい使って、どのくらい貯めたいのか。着地から逆算して月々の予算や年間予算に落とし込んでみてください

6. 支出を減らし、収入を増やす

本来なら、支出削減はマネープランの最初に出てくる話ですが、ここではそうしていません。

なぜなら、支出を見直すべき理由を理解できていないと、節約は絶対にうまくいかないからです。

支出削減の目安ですが、まずは基本25項目が世帯月収の範囲内で収まるのが理想です。

ボーナスは変動が激しいので、ボーナス頼りの家計はマネープランニングとしてはリスクが高いと言えます。

※細かな節約手法についてはまた別記事でまとめます。

仮に今よりも毎月10万円の貯金が必要だとします。

4万円支出を減らして6万円収入を上げるか、2万円減らして8万円収入を上げるか、7万円減らして3万円収入を上げるか、手段は実現可能なものであればどれでも良いのです。

収入アップについては、いきなり年収倍増なんて難しい話です。在宅副業をする、運用を始めてみる、週末にバイト、資格取得で昇給目指す。自分にとってハードルの低いやり方から始めることで十分です。

節約にも言えることですが、気まぐれに1回限り頑張るよりも、細く長く続ける方が効果は高くなります。

そして、支出コントロールと収入アップの二つが重なると、貯金残高は飛躍的に増えていきます

私も子ども3人なので、教育費に戦々恐々としています…。

支出コントロールも年収アップも、一緒に頑張りましょう!

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